今回は、常に議論される話題の『賃貸か持家か問題』を賃貸と持ち家のメリット・デメリットからどちらがお得なのかををテーマに書いていきたいと思います。
早速ではありますが、結論、持家を検討されている方は、賃貸に住むより持家を買うべき!
だと私は考えております。
ここからは、それぞれのメリット・デメリットを書いていきます。
『賃貸のメリット』
賃貸住宅は気軽に住み替えをできることが最大のメリットです。
住んでみて、近隣環境が気に入らなくなったら引越しすればよいと考えている人も多いはずです。
将来、目の前にマンションが建って日陰になるかも分からない。
そんなリスクを取りたくない人は、常に賃貸に住み続け、嫌になったら引っ越そうという考え方をしています。
家族構成に合わせた広さや部屋数の住宅に住めるので、使わずに物置にする部屋などがなく無駄がありません。
勤務先や子どもの学校が変わったときなども、通勤・通学に不便なところで我慢する必要はないと思います。
もし、隣近所の人とトラブルなどがあったときも、引越すことで解決できる点がメリットです。
また、維持管理の側面では、賃貸住宅は自分の持ち物ではないので、エアコンや給湯器などの住宅設備が壊れたときには修理代は基本的に大家が負担してくれます。
地震などで家が壊れたときに、損失を負担しなくてよいことも安心材料といえます。
お金の面では、住宅ローンを払わなくてよい点が最大のメリットといえます。
もちろん家賃は払わなければなりませんが、ローンという重荷を背負わなくていいことに安堵を感じる人は少なくないと思います。
家を持つことで生じる固定資産税や、マンションの管理費なども支払う必要はありません。
賃貸派の方はこういった意見が多いです。
- 賃貸なら常に最新の設備の物件に住める
- 新築で購入しても10年も経てば古くなってしまう
- 近所にトラブルメーカーが住んでいても、引っ越せば済む
- 固定資産税を払う必要がない
『賃貸のデメリット』
賃貸専用の住宅は単身者など少人数世帯向けが多く、特に都市部などではファミリー向けの広さの物件を探しにくい場合があります。
分譲マンションを賃貸として借りる『分譲賃貸』という物件であればグレードは持ち家と変わりませんが、多くの場合は住宅ローンの負担よりも家賃負担のほうが高めです。
家を好みに合わせてリフォームすることができないことはもちろん、壁紙を張り替えたり、壁に釘を打つことすら通常は禁じられています。
お金に関しては家賃を一生払い続けなければならない点がデメリットとして挙げられます。
住宅ローンに縛られることはありませんが、ローンは最長でも35年で支払いが終わります。
特に老後の年金暮らしになってからは、家賃の支払いが重く感じられるでしょう。
さらに高齢になって年金以外の収入がなくなると、借りられる物件が限られてくるという問題もあります。
『持家のメリット』
持ち家のメリットとしては住宅の質の高さが挙げられるでしょう。
新築住宅に代表される最近の住宅は一定の耐震性や省エネ性を備えた物件が多く、安心で快適に住めるケースが一般的です。
耐久性も高まっているので、新築住宅を一度買えば一生住める場合も多いでしょう。
また、持ち家は自分の持ち物なので、お金はかかりますが自由にリフォームすることが可能です。
一戸建てであれば同じ土地に建て替えることもできます。
お金についてはやはり住宅ローンの返済が終わったあとの負担の軽さが大きなメリットと言えます。
リタイアするまでに住宅ローンを返し終えれば、住居費としては固定資産税や修繕費ぐらいで済むので、老後のキャッシュフローは大幅にラクになります。
住宅ローンを35年返済で借りると老後まで返済が残る場合もありますが、途中で繰り上げ返済するなど調整することも可能です。
また、持ち家は資産になるという点も大きなポイントです。
家賃はいくら払っても家が自分のものにはなりませんが、持ち家ならいざというときに売ったり人に貸したりすることで、現金収入を得ることも可能です。
また住宅購入にはローン減税等の優遇措置もあります。
持家派の方はこういった意見が多いです
- 夫に万が一のことがあったら、住宅ローンの支払いが団体信用生命保険でカバーされるので、安心して暮らせる
- 老後、収入が無くなっても、住むところには困らない
- 同じ金額をはらうと、賃貸よりも広くて設備のグレードが高い家に住める
- 家が資産になる
『持家のデメリット』
では持ち家のデメリットはなんでしょうか。
まず、賃貸とは違い、気軽に引越せない点が挙げられます。
もちろん家を売って住み替えることはできますが、そのためには費用や時間がかかります。
賃貸と比べて引越しのハードルが高いので、通勤や環境などに多少の不満があっても我慢して住み続けるケースも少なくないでしょう。
持ち家を売りたくても売れないケースもあります。
例えば相場が値下がりして、売っても住宅ローンを返済しきれない場合などです。
また、最近は天災地変なども多くなっている中で、地震や火災で建物が損傷した場合のコストはさらに大きくなります。そのために地震保険や火災保険に加入するわけですが、ある程度の出費は避けられないでしょう。
お金面では家を買うときに頭金や諸費用などの負担が大きい点も、賃貸と比べてデメリットと言えます。最近では、頭金はゼロでも買えることや、住宅ローンの金利が低いので負担もさほど重くない場合が多いのですが、変動金利で借りた場合は金利上昇のリスクも負うことになります。
『一生涯賃貸の費用は?』
一生涯賃貸で暮らすといくら程になるのでしょうか?
ずっと賃貸住まいを続けた場合、住居費はいくらかかるのか、シミュレーションしてみましょう。
まず世帯主の年齢が33歳で、3歳の子が1人いるケースを想定します。
まだ子どもが小さいので、1LDKか2DK程度の賃貸住宅に入居すると想定し、家賃は月額8万円。
入居時の敷金・礼金や仲介手数料として5カ月分の40万円を支払う設定です。
入居後は更新料として家賃1カ月分が2年に一度かかります。
子どもが成長すると家が手狭になると考えられるので、子どもが中学生になるタイミングの10年後に広めの賃貸住宅に引越します。
3LDK程度のファミリータイプで、家賃は月額10万円です。
入居時の費用とその後の更新料は当初と同じ計算で求めます。
さらに10年後、子どもが大学を卒業すると同時に家を出ると想定し、夫婦2人用に家を少しサイズダウンします。
2LDK程度で家賃は月額9万円と設定します。その後はずっと同じ家に住み続ける想定です。
賃貸住まいでかかる住居費は基本的にこれだけです。
これを世帯主が82歳までの50年間合計したのが下の表です。
家賃の合計が5400万円、入居時の費用と更新料の合計が約400万円。
合わせて5800万円になりました。
『持家を購入すれば一生でいくらかかるの?』
では持ち家を購入した場合の生涯住居費を試算してみましょう。
金額はいくらの住宅を買うかによって大きく差が出ますが、ここでは3500万円の物件を購入したケースで計算します。
35年ローンを組み、頭金は500万円、金利は1.3%です。
年間の固定資産税と維持費は15万円とします。
世帯主と子どもの年齢は賃貸の場合と同じ設定です。
住宅を買うときに支払うのは頭金500万円と、
それに修繕積立基金30万円です。
これらの住居費の50年間のトータルは5508万円と、賃貸と比べて171万円ほど低い金額に収まりました。
また、最近では住宅ローンの変動金利はもっと低い金利で推移してますので、実質負担はもっと下がると思われます。
『結局どっちがお得なのか?』
住居費の負担という点では、長い目で見ると家賃を払い続ける賃貸が不利といえそうです。
持ち家には家が資産になるという強みもあります。
とはいえ、住居費はどんな家に住むかによって大きく異なります。
また、実際問題として自分が住居費をこの先何年払うかも不確定なので、一概に損得を金額で比べるのは難しいでしょう。
ただ、持ち家は『自分の家』という安心感があります。
それに家が古くなって売るのが難しくなったとしても、建物が使えれば人に貸すことはできるでしょう。
老後に高齢者住宅などに住み替えることになったとしても、自宅を人に貸して家賃収入が得られれば負担を抑えることも可能になります。
賃貸か持ち家かを選ぶときには、金額の差だけでなくライフスタイルや安心感などの精神的な側面も考慮することが大切でしょう。
ポイント
結論として持家の選択をお勧めしましたが、『賃貸派、持家派』それぞれの考え方によって合うあわないがあると考えます。悩んでいる場合は不動産業者やFPなどに相談し、ご自身の状況を客観的に見てもらうことで解決の糸口が見つかるかと思います!
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